content_copy

監督 黒澤明 脚本 黒澤明 小国英雄 橋本忍 音楽 早坂文雄 撮影 中井朝一 編集 岩下広一


▮あらすじ▮

市役所で市民課長を務める渡辺勘治(志村喬)は、かつて持っていた仕事への熱情を忘れ去り、

毎日書類の山を相手に黙々と判子を押すだけの無気力な日々を送っていた。

 

市役所内部は縄張り意識で縛られ、住民の陳情は市役所や市議会の中でたらい回しにされるなど、

形式主義がはびこっていた。

 

ある日、渡辺は体調不良のため休暇を取り、医師(清水将夫)の診察を受ける。

医師からは軽い胃潰瘍だと告げられるが、実際には胃癌にかかっていると悟り、

余命いくばくもないと考える。

 

死への不安などから、これまでの自分の人生の意味を見失った渡辺は、

貯金をおろして夜の街へ出かけた。

飲み屋で偶然知り合った小説家(伊藤雄之助)の案内でパチンコやダンスホール、

キャバレー、ストリップショーなどを巡る。

 

しかし、一時の放蕩も虚しさだけが残り、帰宅すると事情を知らない息子夫婦から白い目で見られる。

 

その翌日、渡辺は市役所を辞めるつもりの部下・小田切とよ(小田切みき)と行き合う。

辞職の理由を問うと「市役所ほど退屈なところはない」と言われ、彼は初めて三十年の勤務を

考え直すのだった。

 

渡辺は無断欠勤し、小田切と遊ぶようになると、彼女の自由奔放な生き方に影響され、

残り短い人生をどう”生きる””か考え始める。

 

 

 

生きる

◆感想◆黒澤明監督がトルストイの「イワン・リッチの死」に影響されて、小国英雄橋本忍と脚本を書いた本作は「酔いどれ天使」以来の東宝の作品。海外でも評価が高くリメイク版もあります。主演の志村喬はこの作品の撮影に入る前、盲腸炎で入院していたらしく病み上がりで病人を演じました。印象に残るのは渡辺が小説家(伊藤雄之助)に連れられ、夜遊びをする場面や、ブランコに乗り「ゴンドラの歌」を歌うシーンなどです。黒澤映画常連の役者さんたちの演技も良くて、最後は胸にジーンと来るものがありました。内容的に地味な感じのする作品ですが、とても良い映画なのでまだの方は是非観て下さい。オススメです。


アルプスの与太者

映画、音楽、文学、古いものが大好きです。  

0件のコメント

コメントを残す

アバタープレースホルダー

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です