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監督 黒澤明 原作 内田百閒 撮影 斎藤孝雄 上田正治 音楽 池辺晋一郎 演出補佐 本多猪四郎


▮あらすじ▮

昭和十八年、文筆に専念するために三十年以上務めた大学を辞めた百閒先生(松村達雄

だったが、教え子たちとの交流は続いていた。

なかでも、高山(井川比佐志)甘木(所ジョージ)桐山(油井昌由樹)沢村(寺尾聰)の

四人は暇さえあれば先生の家に集まり、引っ越しも手伝った。

 

その後、戦争が激しくなると先生の家も空襲で焼けてしまい、三畳一間の小屋で

奥さん(香川京子)と生活することになった。

 

昭和二十一年、第一回摩阿陀会(まあだかい)が開かれる。

いつまでも先生に元気でいて欲しいと、高山達が企画した先生の誕生日会であった。

そして先生には新しい家も贈られた。

 

ある時、先生がとても可愛がっていた愛猫のノラが行方不明になってしまう。

先生はショックで食事も摂れないほど落ち込んでいた。

高山、甘木たちは必死にノラを捜すが、結局見つけることはできなかった。

だが、また違う野良猫が家に現れ、先生がクルツと名付けて可愛がり始めたので

教え子たちは一安心した。

 

昭和三十七年、第十七回摩阿陀会が開かれた。

先生は白髪になり、教え子たちも孫がいる世代になっていたが、先生との関係は

昔と何も変わらなかった。

 

先生はいつものようにビールを一気に飲み干したが、突然具合が悪くなってしまう。

大事をとって先に帰ることになったが、会場の出席者たちは”仰げば尊し”を

皆で歌い先生を見送った。

 

高山、甘木、桐山、沢村の四人は先生のことが気になり家に様子を見に行くと・・・

 

 

 

 

まあだだよ

◆感想◆黒澤明監督の遺作で30作目の作品。内田百閒先生とその門下生たちの交流を描いたとても心温まるストーリーです。まず驚くのが所ジョージをかなり目立つ役で使っているところ。本人も世界のクロサワに大抜擢されて驚いたことでしょう。そしてこの甘木役の所さんが見事にハマっていて素晴らしいです。印象に残るのは、摩阿陀会での教え子たちの一体感。みんな演技というより本当に楽しんでいる感が出ていて忘れられないです。あとは先生が最後に見る夢も黒澤監督らしくて綺麗な終わり方でした。この作品では黒澤監督からのメッセージも百閒先生に言わせていて、最後の作品に相応しい傑作です。まだの方はぜひこの機会に観て下さい。オススメです。

 

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アルプスの与太者

映画、音楽、文学、古いものが大好きです。  

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