監督 小津安二郎 脚本 野田高梧 小津安二郎 撮影 厚田雄春 音楽 黛敏郎 制作 山内静夫 編集 浜村義康
▮あらすじ▮
東京の郊外に住む原田家は、辰造(田中春男)、きく江(杉村春子)の夫婦に中学一年の子・幸造、
それにお婆ちゃんのみつ江(三好栄子)の四人暮し。原田家の左隣がガス会社に勤務の
大久保善之助(竹田浩一)の家。
妻のしげ(高橋とよ)、中学一年の善一の三人。大久保家の向い林啓太郎(笠智衆)の家は
妻の民子(三宅邦子)と、これも中学一年の実(設楽幸嗣)、次男の勇(島津雅彦)、
それに民子の妹・有田節子(久我美子)の五人暮し。
林家の左隣・老サラリーマンの富沢汎(東野英治郎)は妻・とよ子(長岡輝子)と二人暮し。
右隣は界隈で唯一軒テレビをもっている丸山家で、明(大泉滉)・みどり(泉京子)の
若い夫婦は万事派手好みで近所のヒンシュクを買っている。
そして、この小住宅地から少し離れた所に、子供たちが英語を習いに行っている
福井平一郎(佐田啓二)が、その姉で自動車のセールスをしている
加代子(沢村貞子)と住んでいる。
林家の民子と加代子は女学校時代の同窓で、自然、平一郎と節子も好意を感じ合っている。
ここに奥さん連中が頭を痛める問題が起った。相撲が始まると子供たちが
近所のヒンシュクの的・丸山家のテレビにかじりついて勉強をしないのである。
民子が子どもの実と勇を叱ると、子供たちは、そんならテレビを買ってくれと云う。
啓太郎が、子供の癖に余計なことを言うな、と怒鳴ると子供たちは黙るどころか、
「大人だってコンチワ、オハヨウ、イイオテンキデスネ、余計なこと言ってるじゃないか」
と反撃に出て正面衝突。ここに子供たちの沈黙戦術が始まった。
お早よう
◆感想◆東京郊外の新興住宅地を舞台に戦後の庶民生活を描いた作品で監督は小津安二郎。監督にしては珍しくコメディ色が強めで、子供がメインですが、小津作品常連の役者さんたちが巧くて面白いので楽しめます。特に良かったのは杉村春子と三好栄子の親子のやり取りで、笑えます。あとは子供たちの沈黙作戦。弟の勇(島津雅彦)が可愛すぎるのでこちらも注目です。最後の締め方も良いのでまだの方はぜひこの機会に観て下さい。おすすめです。
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