監督 工藤栄一 脚本 鴨井達比古 撮影 わし尾元也 音楽 広瀬健次郎 企画 橋本慶一 編集 宮本信太郎 助監督 牧口雄二
▮あらすじ▮
久し振りに出所したゴロ政(菅原文太)と、迎えに来た舎弟分の勝(川地民夫)の二人は、
神戸・新開地に舞い戻った。新開地は、新興やくざの加賀組が勢力を誇っており、
見むきもされないゴロ政と勝は、腹いせに組長加賀の経営する高級クラブで大暴れした
末に、チンピラたちに掴まってしまった。
だが二人は、不良少女ジュン(東三千)に救出された。一人ぼっちのジュンは、
男になりたいばかりに、まむしの兄弟を救い、
その代りに五分の兄弟分としてまむしの仲間に加えてもらおう、という魂胆だった。
翌日、ジュンを仲間に入れたまむしの兄弟が、加賀組への復讐戦の作戦を練っているところへ、
加賀組の本家・神童会幹部・塚本(渡辺文雄)が現われた。
その塚本は以外にも勝を捜しに来たのだった。というのは、勝の本名は尾澤勝彦といい、
三歳の時両親と離れ離れになったのだが、母の弥生が資産家で、病弱な彼女は
是非我が子に会いたがっているとのことだった。
勝はゴロ政に引率してもらい恐る恐る弥生に会った。
親子の対面に感激したのは勝よりもむしろゴロ政だった。ゴロ政は勝のたっての頼みで
しばらく居候することにした。
だが、この話には裏があった。弥生の財産に目をつけた塚本は、勝に遺産を継がせてから、
騙し取ろうとしていたのだ。
ところが、弥生の体力か徐々に回復してきたのに慌てた塚本は、
邪魔なゴロ政を尾澤家から追い出し、弥生を注射で殺そうとした。
塚本の不穏な動きを察知した勝は、弥生を車椅子に乗せて逃げ出すが……
◆感想◆まむしの兄弟シリーズ七作目で監督は工藤栄一。本作ではまむしの兄弟に不良少女・ジュン(東三千)が加わり大活躍します。勝(川地民夫)の母親?として登場する弥生が小津作品でお馴染みの三宅邦子というのがまた面白い。いつものことながら悪党に立ち向かうまむしの兄弟ですが、最後はゴロ政(菅原文太)の怒りが爆発し、両手にドスで攻撃などかなり過激な殴り込みになります。ちょっと泣ける要素もある七作目。おすすめです。
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