監督 黒澤明 脚本 小国英雄 橋本忍 黒澤明 撮影 中井朝一 音楽 早坂文雄 制作 本木荘二郎 編集 小畑長蔵
▮あらすじ▮
都内に鋳物工場を経営する中島喜一(三船敏郎)は、妻・とよ(三好栄子)との間に、
よし、一郎、二郎、すえの二男二女がある、ほか二人の妾とその子供、
それにもう一人の妾腹の子の月々の面倒までみている。
その喜一は原水爆弾とその放射能に対して被害妾想に陥り、
地球上で安全な土地はもはや南米しかないとして近親者全員のブラジル移住を計画、
全財産を抛ってもそれを断行しようとしていた。
一郎たちはこの際喜一を放置しておいたら、本人の喜一だけでなく近親者全部の
生活も破壊されるおそれがあるとして、家庭裁判所に対し、
家族一同によって喜一を準禁治産者とする申立てを申請した。
家庭裁判所参与員の歯科医・原田(志村喬)は「死ぬのはやむを得ん、だが殺されるのは嫌だ」
という喜一の言葉に強く心をうたれる。
その後もブラジル行きの計画を進めていく喜一に慌てた息子たちの申請により、
予定より早く第二回の裁判が開かれた。
その結果、申立人側の要求通り喜一の準禁治産を認めることになった。
喜一の計画は、この裁定にあって挫折してしまい、極度の神経衰弱と疲労で昏倒した。
近親者の間では万一の場合を考えて、中島家の財産をめぐる暗闘が始まった。
その夜半、意識を回復した喜一は工場さえなければ皆も一緒にブラジルへ行ってくれると考え、
工場に火を放った。
生きものの記録
◆感想◆黒澤明監督が原水爆の恐怖を取り上げた社会派ドラマで、この時三十代半ばの三船敏郎が六十代の老人の役を演じています。黒澤作品の中ではあまり話題にならない本作ですが、意外と好きな人もいて爆笑問題の太田光も好きな映画として取り上げていました。原爆、放射能の恐怖に支配された主人公・中島喜一(三船敏郎)が最後どうなるのか?予想外の結末に驚くはずです。おすすめです。
0件のコメント