監督 熊井啓 原作 木本正次 脚色 井出雅人 熊井啓 撮影 金宇満司 音楽 黛敏郎 企画 中井景 編集 丹治睦夫
▮あらすじ▮
関西電力は黒部川上流に第四発電所を建設するため、太田垣社長(滝沢修)総指揮の
もとに社運をかけて黒四ダム工事に当たることになった。
間組の国木田と熊谷組の下請会社の岩岡源三(辰巳柳太郎)は、ともに現場責任者の
北川(三船敏郎)を訪れ、ダム工事の難しさを知らされた。
源三の息子・剛(石原裕次郎)は、トンネル掘りのためにどんな犠牲も省りみない源三に反抗し、
家を出て設計技師として図面をひいていた。
国木田(加藤武)はそんな剛と、北川の長女・由紀と見合いさせようと提案して、源三を驚かせる。
昭和三十一年八月、世紀の大工事といわれた黒四工事は、大自然との闘いの火蓋を切った。
九月に入って剛は偶然、由紀と会い、親しさを増していったが、彼女が
父の北川の身を心配するのを見て、源三の様子を見に黒部に向った。
源三はめっきりと体が弱くなっていた。北川の黒四にかける熱意にほだされた剛は
父に代ってトンネル掘りの指揮をとることになった。
こうして工事が始って半年、犠牲者はすでに十六人を数え、難工事であることが
現場の人たちに不安を抱かせ始めた。
翌年の四月、北川たちが恐れていた事態が起こる。軟弱な花岡岩帯にぶつかったのだ。
五月に入ってすぐ、山崩れと大量の水がトンネルを襲った。この危機を切り抜けるため、
色々な技術プランが検討されたが、工事は一向に進まなかった。
そんな折りも折り、北川は次女の牧子が白血病にかかって入院し、
生命はあと一年と知らされたが・・・・
黒部の太陽
◆感想◆木本正次の毎日新聞への連載小説「黒部の太陽」を映像化した作品で監督は熊井啓。三船敏郎と石原裕次郎の二大スターが共演した作品で、三時間超えの大作です。主演の二人以外にも渋い役者が揃っていて、志村喬、加藤武、辰巳柳太郎、大滝秀治など素晴らしい演技を見せてくれます。当然ながらトンネル工事のシーンが多い作品ですが、親子の確執や娘の病気などの人間模様も描かれているところが良かったです。終盤のトンネル開通時の盛り上がりがものすごいのでまだの方はぜひこの機会に観ていただきたいです。おすすめです。
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