監督 井上昭 脚本 長谷川公之 撮影 武田千吉郎 音楽 池野成 企画 関幸輔 編集 山田弘
▮あらすじ▮
昭和十六年十一月五日。ワシントンでは日米交渉が決裂必至の情況にあった。
その頃、中野学校の椎名次郎(市川雷蔵)は香港へ向っていた。
極東米英軍から機密情報を盗み取る命を受けていたのだ。
現地で柏木中佐(内藤武敏)と磯村大尉(細川俊之)の協力を得た椎名は
早速ダイク大佐が隠し持つ極秘書類を一枚残らずカメラに撮った。
敵情報網P機関は色めきたった。そしてかねてから内偵していた椎名を連行した。
それを目撃した一の瀬秋子(小山明子)の急報で椎名は柏木や磯村によって救出された。
同月十四日、大本営は騒然となった。椎名の撮ったフィルムにより御前会議の秘密が
洩れていたことを発見したからだ。
椎名は早速御前会議メンバーの調査にかかる。
まず疑いをかけたのは大原博士(清水将夫)の看護婦・金井と会議の模様を
描いた画家・水池(船越英二)だった。
折しも連合国側四カ国は結束を固め、その情報活動は日増しに活発の度を加えていた。
この緊急事態には一刻の猶予も許されない。
椎名は帰国していた秋子に調査の一部始終を話した。それは秋子に対する賭けだった。
その直後、椎名が調査のため水池に接近させていた芸者小菊が射殺され、
水池も自動車事故に見せかけて殺された。
椎名はある人物を敵国スパイとしてマークした・・・・
陸軍中野学校 開戦前夜
◆感想◆陸軍中野学校シリーズの五作目で最終作、監督は井上昭。シリーズ五作目ともなるとマンネリ化してつまらないだろうと思って観ましたが、意外と面白かったです。開戦前の緊迫した状況が上手く表現されていて、市川雷蔵の演技や語りも良い。本作では意外な人物が敵国スパイだったりと最後まで目が離せません。外国人の役者のカタコトな日本語にはちょっとコントっぽさを感じましたが、サスペンス系の映画の中では傑作だと思います。おすすめです。
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