監督 黒澤明 脚本 黒澤明 菊島隆三 撮影 生方敏夫 音楽 早坂文雄 編集 杉原よ志 助監督 野村芳太郎 小林桂三郎
▮あらすじ▮
新進画家の青江一郎(三船敏郎)は、バイクを飛ばして伊豆の山々を描きに来ていた。
そこへ人気歌手の西條美也子(山口淑子)が美しい美声と共にやって来る。
二人は宿が同じだと分かると、美也子をバイクの後ろに乗せて宿へ向かった。
青江は美也子の部屋を訪ね、談笑していたが、そこを雑誌社「アムール」のカメラマンが
隠し撮りし、嘘の熱愛記事を書かれてしまう。
雑誌は飛ぶように売れ、街頭で大々的に宣伝された。これに憤慨した青江は
アムール社へ乗り込んで編集長・堀(小沢栄太郎)を殴り倒し、騒ぎは更に大きくなってしまう。
青江は雑誌社を告訴することにし、そこへ蛭田(志村喬)と名乗る弁護士が売り込みに来る。
翌日、蛭田の家を訪ねた青江は、結核で寝たきりの娘・正子(桂木洋子)と出会う。
正子の清純な心に惹かれた青江は蛭田に弁護を依頼する。
しかし、病気の娘を抱えるも金のない蛭田は十万円の小切手で堀に買収されてしまう。
裁判が始まるも、買収された蛭田の弁護はしどろもどろで、法曹界の重鎮・片岡博士を
弁護人にたてた被告側が圧倒的に有利だった。
公判が進むも、蛭田は言わねばならない証言でも押し黙り、四回目の公判で木樵が
原告側の証人として立つも、勝ち目はなかった。
そんな中、青江に悲しい知らせが届いた。
醜聞
◆感想◆黒澤明監督が初めて松竹で撮った作品で、脚本は黒澤監督と菊島隆三の共同脚本。名作揃いの黒澤作品の中ではあまり目立たない本作ですが、個人的には好きです。うだつの上がらない弁護士役の志村喬が面白すぎますし、その娘役の桂木洋子もまだ新人なのに病気の少女を好演。青江(三船敏郎)と美也子(山口淑子)が正子(桂木洋子)の為にクリスマスパーティーをしてあげるシーンは涙を誘います。また脇役の左卜全や高堂国典、上田吉二郎も強烈キャラで笑わせてくれます。買収された弁護士・蛭田が最後どうなるのか?気になる方はぜひこの機会に観て下さい。おすすめです。
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