監督 マキノ雅弘 脚色 棚田吾郎 原作 火野葦平 撮影 飯村雅彦 音楽 木下忠司 企画 俊藤浩滋 矢部恒 編集 田中修
▮あらすじ▮
日露戦争が終った頃。玉井金五郎(高倉健)は、親友・大田新之助(二谷英明)の
もとで沖仲仕を始める。
金五郎は、生来の度胸と腕で、新之助や組長の山尾(内田朝雄)を喜ばせた。
大村組との喧嘩で怪我をした時、林助(山本麟一)の妹・マン(星由里子)が見舞いに来た。
その時のお礼に金五郎はマンに懐中ランプを贈る。
ところが、それが縁で、九州一の大親分・吉田(若山富三郎)と対面することになった。
吉田に付添っていた芸者が懐中ランプを珍しがり、
吉田の子分がそれを力尽くで取り上げようとしたのだ。
その時、金五郎は毅然たる態度で「子分の非は親分の罪」と、吉田に頭を下げさせた。
だが、この一件は同席した伊崎(天津敏)を怒らせ、仕返しを恐れる
山尾は金五郎を追出した。
それから二年、マンと世帯を持った金五郎は、永田組の助役になっていた。
その頃戸畑では、若松の伊崎組を筆頭とする共働組合と
永田・大庭組が牛耳る連合組合が対立。金五郎がお京(藤純子)と、再会したのはそんな折だった。
お京は伊崎のさし回しでこの地に乗込んできたのだ。
一方、伊崎は、パナマ船への積荷作業から手を引くよう永田に迫った。
行方が分からなくなっていた新之助は伊崎に身を売り、
永田組を荷役から引かせるため契約書をつくっていた。
昔仲間の裏切りに怒り、金五郎は決闘を申入れるが、その場は島村(高橋とよ)の仲裁で収まった。
やがて永田(上田吉二郎)が、金五郎に玉井一家を興させた。
伊崎らは、その歓迎会の帰途を襲い、林助を殺した・・・・
日本侠客伝 花と龍
◆感想◆日本侠客伝シリーズの第九作目で火野葦平の「花と龍」を映画化した作品。監督はお馴染みのマキノ雅弘。実在した人物・玉井金五郎(火野葦平の父)を高倉健が演じていて、ヒロイン役は珍しく二人で藤純子と星由里子が出演しています。面白いと思ったのが小津作品に何作が出ている高橋とよが女侠客の役だったり、任侠映画では見たことがない二谷英明が侠客だったり、いつもの侠客伝シリーズとは何か違います。内容的には特別面白いとも思いませんでしたが、ちょっとセクシーな藤純子や槍を振り回す高倉健が見れるので、ファン必見です。まだの方はぜひこの機会に観て下さい。オススメです。
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