(…) (…)

監督 村川透 原作 大藪春彦 脚本 永原秀一 撮影 仙元誠三 音楽 ケーシー・D・ランキン  制作 黒澤満 伊藤亮爾 柴垣達郎 編集 鈴木晄


▮あらすじ▮

夜明けの街中で、一億円強奪殺人事件が発生した。

犯人の朝倉哲也(松田優作)は、資本金十五億円を擁する東和油脂の経理部に所属し、

表向きには夜間大学卒・補欠入社の風采のあがらない社員を装っていたが、

ボクシングジムで鍛練を重ねる裏の顔を持ち、ひそかに東和油脂の乗っ取りを企てていた。

 

朝倉は東和油脂の内部事情を入手するため、経理部部長・小泉(成田三樹夫)の愛人

である京子(風吹ジュン)に接近し、麻薬とセックスで籠絡する。

さらに奪った一億円を一旦ヘロインに換えるため、麻薬の元締めである

市会議員の磯川(南原宏治)と接触。

朝倉は、磯川が差し向けた刺客たちを難なく始末し、末端価格一億円分のヘロインを手に入れた。

 

ある時、朝倉は桜井(千葉真一)という男が東和油脂役員たちの横領を証明する裏帳簿や

経理次長・金子(小池朝雄)の不倫をネタに、五千万円のゆすりを仕掛けている事実をつかむ。

桜井は背後に自身の伯父で政財界のフィクサー・鈴本(安部徹)が控えていることをちらつかせていた。

 

役員たちは探偵の石井(岸田森)率いる興信所を使って証拠の強奪をはかるが失敗。

一方朝倉は、桜井と石井の対決に乗じ、東和油脂が桜井へ渡した内金の二千五百万円を強奪した。

内金を東和油脂に奪い返されたと思い込んだ桜井は、要求金を二億円につり上げる。

だが桜井が鈴本の事業と直接関係ないことを調べあげた東和油脂社長・清水(佐藤慶)らは、

石井に命じて桜井と愛人の雪子を始末させた。

 

ところが石井は東和油脂を裏切り、清水を恐喝して一億円を要求。

この話を盗み聞きした朝倉は、社外からボクシングジムのトレーナーを装って自身の

上司・金子に電話をかけることで、役員たちに自らの裏の顔を示唆する。

 

保身をはかる清水は朝倉を社長室に呼んで、

「会社のために石井一味を始末してくれれば重役に昇進させる」と唆し、拳銃を手渡す。

約束通り石井一味を始末した朝倉だったが、清水の別荘へ向かう途中で金子に消されかける。

 

朝倉は役員たちの集まる清水の別荘に乗り込み、「検察庁に真相をバラす」

と脅して東和油脂の株券・二百万株(時価八億円相当)をせしめる。

さらに、清水の末娘・絵里子と婚約する。

その折、京子は朝倉の正体を知った・・・・

 

蘇える金狼

◆感想◆大藪春彦が1964年に発表したハードボイルド小説「蘇える金狼」を村川透監督が映像化した作品で、主演は松田優作。知能犯で武闘派という訳の分からない人物の役は松田優作以外には務まらないと思いました。また脇を固める役者たちがヤクザ映画のような面子だなと思っていたら、やってることが完全にヤクザだったので納得。京子役の風吹ジュンの異様ともいえる色気にも注目です。ストーリーは個人的にはラストが納得いかないものの、それ以外はスリリングで面白かったです。オススメです。


アルプスの与太者

映画、音楽、文学、古いものが大好きです。  

0件のコメント

コメントを残す

アバタープレースホルダー

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Verified by MonsterInsights