監督 小沢茂弘 脚本 笠原和夫 撮影 吉田貞次 音楽 津島利章 企画 俊藤浩滋 日下部五朗
▮あらすじ▮
明治の頃、九州博多の馬車会社の車夫・松吉(高倉健)は、土地で事件を起こして、
北陸金沢へ流れてきた。
空腹のために動けなくなった松吉を優しく介抱したのは、稲垣芳恵(十朱幸代)だった。
芳恵は、弟の伸太郎に医学の勉強をさせるために、自ら小芳と名を改め芸者にでた。
松吉は、山田黒兵衛(辰巳柳太郎)の経営する北陸逓送馬車会社で働くことになり、
小芳を身請けするため、一心不乱に働いた。
やがて代議士の青山(大木実)が帰郷し、博徒上りの本堂(渡辺文雄)がひきいる
救国社から身を守るために山田に護衛を依頼した。
その頃、政治運動に走った伸太郎は救国社に加入し、青山の命を狙っていた。
悲しみに沈む小芳のため、松吉は救国社に殴り込み、伸太郎を連れだした。
こうして松吉は金沢を去った。
五年後、第二回衆議院総選挙は野党に大弾圧が下され、全国で死者数百人を数え、
金沢は最大の激戦地だった。
白昼公然と白刃をふるう救国社を警察は見て見ぬふりをし、北陸逓送は、
青山の後援をしていることが政府に知れ倒産した。
黒兵衛も病床に倒れ、青山も苦戦しながら小芳の料亭きく乃をアジトに選挙活動を続けていた。
金沢に戻った松吉は、二人のために陰の力になることを決心する。
やがて、山田は本堂に殺され、青山も傷ついた。
松吉はついに怒りを爆発させる・・・・
日本侠客伝 刃(ドス)
◆感想◆日本侠客伝シリーズの第十一作目で監督は小沢茂弘。最終作になる本作では、ヒロイン的な役に十朱幸代、悪役には渡辺文雄が起用されています。序盤はただの暴れん坊の車夫だった松吉(高倉健)が、数年後に立派な侠客になって帰ってくるという見応えのあるストーリーで、任侠映画には欠かせない池部良もカッコいい親分として登場。最後はド迫力の殴り込みになります。川谷拓三の訳の分からない空手殺法も見れる貴重な作品なので、まだの方はこの機会にぜひ観て下さい。オススメです。
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