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監督 黒澤明 脚本 黒澤明 菊島隆三 小国英雄 原作 山本周五郎 「日日平安」 撮影 斎藤孝雄 小泉福造 音楽 佐藤勝


▮あらすじ▮

地方の城下町、古びた社殿で九人の若侍が密議をこらしていた。

城代家老・睦田(伊藤雄之助)に、次席家老・黒藤(志村喬)と国許用人・竹林(藤原釜足)の

汚職に対する意見書を提出したが、受け入れられず、大目付・菊井(清水将夫)に

うまく乗せられて集まっていたのだ。

 

その最中、拝殿の奥から一人の浪人が現れ、九人を驚かせた。

菊井こそが黒幕だという浪人の言葉を誰も信じなかったが、彼の言う通り

社殿の周りを菊井の配下に取り囲まれてしまった。

 

自暴自棄となり斬り込もうとする若侍たちを隠れさせ、浪人はわざと菊井の手下連中に

喧嘩を売り注意を逸らす。

度胸と腕を見せた相手に、菊井の腹心である室戸半兵衛(仲代達矢は、

仕官したければ訪ねて来いと言ったあとで仲間に引き上げを命じた。

 

城代家老は屋敷から連れ去られた後で、夫人(入江たか子)と娘(団令子)は監禁されていた。

 

浪人は二人を助け出し、若侍の一人寺田(平田昭彦)の屋敷に落ち着く。

寺田の屋敷は黒幕・黒藤の屋敷の隣で、黒藤の庭には椿屋敷と呼ばれるほど椿が咲いていた。

 

咲き誇る椿を眺めながら、浪人は椿三十郎(三船敏郎)と名乗った。

三十郎は、敵状を探るため社殿で出会った大目付の懐刀・室戸半兵衛を訪ねる。

 

三十郎の腕を買っている室戸は、彼を味方に付けようと、菊井、黒藤の汚職を打ち明け、

共にこの藩を食いものにしようと持ちかけた。

 

その間、三十郎を信用しきれない若い侍の一部が彼の後を付けていたが、

室戸に捕まってしまう。

三十郎は室戸の裏をかいて番人を斬り、自分を縛らせて若侍を逃がした。

 

寺田の家に戻り新たな策を思案する一同だったが、

椿屋敷から流れてくる小川に、睦田に手渡した意見書の破片があることに気づく。

他ならぬ椿屋敷こそ睦田が監禁されている場所であった。

 

そこで三十郎は若侍たちが町外れの寺に潜伏していると嘘をついて椿屋敷の兵を移動させ、

その隙をついて屋敷を襲撃する策を立てた。

その際、襲撃の合図として色は何でもいいから大量の椿の花を小川に流すことに決まる。

 

三十郎は計画通り、町外れの寺の山門で若侍らを目撃したと室戸に話し、

警備を手薄にさせることに成功する。

ところが、肝心の椿の花を流すために赤い花を集めていたところを室戸に見つかり捕まってしまった。

 

派遣した兵を室戸が急いで呼び戻しに行っている間、三十郎は菊井らに、

若侍たちが隣家に待機していて間もなくこの屋敷は襲撃されると話し、

赤い椿の花が決行の、そして白い椿の花は中止の合図だと嘘をつく。

 

菊井らが急いで集めて小川に流した白い椿の花を合図に、若侍らは屋敷を襲撃して菊井らを制圧し、

睦田を救出することに成功する。

 

後日、睦田は若侍らを集めて感謝の意を告げたが、その場に三十郎は居なかった。

三十郎が旅立ったことを知った若侍達は慌てて後を追う。

 

町外れで三十郎に追いつくと、そこには室戸の姿があった・・・・

 

 

 

椿三十郎

◆感想◆黒澤明監督は山本周五郎の作品を何作か映像化していますが、この椿三十郎も「日日平安」を元に脚本を書いています。テンポが良い作品で、時々笑えるシーンもあり、最後まで飽きさせない時代劇の傑作だと思います。三船敏郎仲代達矢は時代劇のスペシャリストといった感じで文句なしにカッコイイですし、悪役の志村喬藤原釜足辺りもやっぱり演技が上手く面白い。あと目立っていたのが、入江たか子で超マイペースな城代家老の夫人が笑わせてくれます。もちろん有名なラストシーンも鳥肌もので、時代劇の入門に良い作品だと思います。オススメです。

 

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アルプスの与太者

映画、音楽、文学、古いものが大好きです。  

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