監督 中島貞夫 原作 飯干晃一 脚本 高田宏治 音楽 黛敏郎 伊部晴美 撮影 増田敏雄
▮あらすじ▮
昭和四十六年、一宮病院を退院した中島組組長・佐倉一誠(佐分利信)の盛大な
全快祝賀パーティが開催された。
構成員四百団体、一万二千人は全盛時に比べやや減ってはいるものの、
あいかわらず全国一の勢力を誇っている。
危機に追い込まれていた組をここまで再建したのは、一宮恭夫(高橋悦史)と
松枝四郎(松方弘樹)であった。
佐倉の退院を機に中島組の関東進出は急務となり、その第一歩として
新組織「桜商事」を設立し、その指揮に松枝が当った。
「桜商事」の目的は中央の政財界に強力なコネクションをつけることで、
最初の仕事がジャパンシップ乗っ取りの介入だった。
これをいち早く察知したのは東京の暴力団の大物、松風会会長・大石剛介(三船敏郎)だった。
大石は東京の暴力団を連合する「関東同盟」を結成し、
右翼の巨頭・大山規久夫(内田朝雄)を顧問に迎えた。
大山は後藤通産大臣に圧力をかけ、中島組が買占めたジャパンシップの株式の買戻しを強行する。
「桜商事」の若宮洋一郎(にしきのあきら)がこの事件の餌食となって殺された。
これがきっかけとなって、中島組対関東同盟の抗争は表面化するが、
中島組内部では辰巳の死以来空席となっている若頭の地位をめぐって、
野心と思惑が入りみだれる。
佐倉は冷静に情況を見きわめ、松枝を若頭に抜擢し、その補佐に天坊信助(菅原文太)を任命した。
天坊は殺し屋を雇って、関東同盟の真光会会長を射殺するが、大石はこの挑発にのってはこなかった。
一方、松枝は人気歌手や美女をスカウトして、東京に「シャングリラ」という秘密クラブを開き、
ママには一宮の友人の姉小路尚子(岸田今日子)をすえた。
その頃、ガルダスソネ共和国大統領・アナンタが来日する。
ガルダネソス国営石油開発の利権を五光汽船におとそうと企む松枝は、
アナンタの歓心を買うべく生贄作戦に出るが、
大統領の目に止まったのは、意外にも一宮病院の看護婦・三浦かおる(金沢碧)であった。
アナンタは、かおるにのめり込み結婚を迫る。
石油資源開発の利権は中島組が手にしたと思われたが、かおるの予想外の行動により
形勢が逆転、窮地に立たされた松枝は・・・・
日本の首領 野望編
◆感想◆日本の首領シリーズ三部作の二作目で監督は前作に続き中島貞夫。今作では前作のキャストに加え、三船敏郎が関東の大物ヤクザとして登場します。西と東でヤクザの覇権争いというような内容ですが、政財界も巻き込んで見応えのある作品です。佐分利信、三船敏郎、松方弘樹、菅原文太などこれだけ大物の役者が集まることはなかなかないので、味のある演技を楽しめました。アナンタ大統領に結婚を迫られたかおるはどうなったのか?そして追い詰められた松枝が最後にとった行動は?予想外のことが次々に起こる傑作です。まだの方はぜひ観て下さい。オススメです。
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