監督 今村昌平 原作 佐木隆三 脚本 馬場当 撮影 姫田真佐久 音楽 池辺晋一郎
▮あらすじ▮
日豊本線築橋駅近くで専売公社のタバコ集金に回っていた二人の惨殺死体が発見され、
現金四十一万円余が奪われていた。
容疑者として浮かんだのは、かつてタバコ配給に従事した榎津厳(緒形拳)。
榎津は弁護士や大学教授を装って詐欺を繰り返しながら逃走を続けていた。
自宅には病身の母・かよ(ミヤコ蝶々)と敬虔なクリスチャンの父・鎭雄(三國連太郎)
が旅館を経営し、榎津の妻・加津子(倍賞美津子)と暮らしている。
加津子は、義父である鎮雄に心酔し、榎津二人の関係を疑っていた。
浜松の旅館に大学教授を装って投宿した榎津は、宿の女将・浅野ハル(小川真由美)と懇ろになる。
ハルの母・ひさ乃(清川虹子)はかつて殺人で収監された経歴が持ち、
ハルの情夫で旅館のオーナーでもある男(北村和夫)の機嫌を取りながら、
競艇に明け暮れる毎日を送っていた。
ある日、榎津とハルが映画館へ入ったところ、ニュース映画で榎津の指名手配写真が流れ、
ハルは榎津の正体を知る。
榎津に惚れていたハルは榎津を匿い、一緒に逃げるとまで言い出す。
それを知ったひさ乃は榎津を競艇に誘い、自分たちの前から消えるよう要求した。
榎津はこの要求に応じることはなく、予想外の行動に出る・・・・
復讐するは我にあり
◆感想◆60年代に起きた西口彰事件を題材に書かれた同名小説を今村昌平監督が映像化した作品で、主演は緒形拳。まず驚くのが実在した人物の話であるということ。そしてこのサイコパスのような男を緒形拳が見事に演じ切っています。またその他の出演者も凄くて三國連太郎や倍賞美津子、清川虹子など演技の巧い人ばかりで良いキャスティングだと思いました。今村監督はこういうヤバイ人物を撮るのが得意そうですね。個人的には榎津が教授や弁護士に扮して、人を騙している姿に怖さを感じました。興味のある方はぜひこの機会に観て下さい。オススメです。
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