監督 溝口健二 脚本 依田義賢 原作 谷崎潤一郎 撮影 宮川一夫 音楽 早坂文雄
▮あらすじ▮
お遊さま（田中絹代）は、小曽部の家から金満家粥川へ嫁入って間もなく夫に別れたが、
一人子一の養育の傍ら、贅沢と遊芸三昧に憂さを晴らしているひとであった。
妹・お静（乙羽信子）が芹橋慎之助（堀雄二）と見合いをするのに付き添って行くが、
慎之助はお静よりもこのお遊さまに強く惹かれる。
そこでこの縁談はいったん破れかけるが、お遊さまが、結婚するならぜひ慎之助
とという達ての願いにお静は承知して芹橋へ嫁ぐことになった。
お遊さまも、慎之助を想っていることを察し、お静は二人の間のかけ橋になる決心をする。
そのため、お静は慎之助の名前だけの妻に甘んじ、慎之助と共にひたすらお遊さまの心を慰め、
楽しませることに努めた。
三人がそろっての物見遊山が度重なるに従って、周囲の口もやかましくなり、ついには
お遊さまの婚家・粥川家でも問題となり、一が病没したのを口実に、
お遊さまは実家へ帰されることになった。
そのときになってお遊さまは自分のために慎之助とお静を不幸にしていたことを悟って、
兄にすすめられるまま、眼をつぶって伏見の酒造家へ再婚して行った。
芹橋家は破産し、お静と慎之助は東京にわび住居をする身になったが、
お静は慎之助との間に一子をもうける。
しかし産後の肥立ちが悪く、慎之助に見とられながら死んでしまう。
お遊さまは、淀川にのぞんだ伏見の豪華な屋敷に今宵は月見の宴を催していた。
その時、門前に捨て子があった・・・
お遊さま
◆感想◆1951年に公開された溝口健二監督作品で、原作は谷崎潤一郎。他の溝口作品と比べるとあまり印象に残らない作品かもしれませんが、名カメラマン・宮川一夫がかなり良い仕事してると思います。雨月物語も凄かったですが、お遊さまも素晴らしいカメラワークとなっております。また音楽を担当した早坂文雄も天才と呼ばれただけあって、印象に残る面白い音楽を提供しています。
肝心の内容の方ですが、ちょっと退屈な内容かなとも思いましたが、最後は谷崎っぽい終わり方で一本取られたという感じです。溝口ファンだけではなく、宮川一夫ファンにお勧めしたい作品です。
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