監督 今村昌平 脚本 冨川元文 天願大介 今村昌平 原作 吉村昭 撮影 小松原茂 音楽 池辺晋一郎 プロデューサー 飯野久
▮あらすじ▮
88年夏、サラリーマンの山下拓郎(役所広司)は妻の浮気を告発する差出人不明の手紙を受け取る。
ある夜、妻の不倫現場を目の当たりにした彼は、激しい怒りに駆られて妻を刺殺してしまう。
八年後、刑務所を仮出所した山下は、千葉県佐倉市の住職・中島(常田富士男)の世話で、
利根川の河辺に小さな理髪店を開業した。
人間不信に陥っていた山下は、近所づきあいもせず、飼っているうなぎを唯一の話し相手に、
静かな自戒の日々を送っている。
ところがある日、うなぎの餌を採りに行った河原で、山下は多量の睡眠薬を
飲んで倒れている女性を発見した。
服部桂子(清水美沙)というその女性は、山下によって命を救われるが、山下は
「東京に帰りたくない」と言う彼女を店で使うよう、中島の妻・美佐子(倍賞美津子)に
押し切られてしまう。
金融会社の共同経営者で愛人でもある堂島との関係や、精神病の母・フミエ(市原悦子)との
血のつながりから逃がれたいと思って自殺を図った桂子と関わりを持つことは、
彼にとって迷惑でしかなかった。
しかし、明るい彼女のお陰で店は繁盛するようになり、山下の気持ちも次第に解きほぐされていく。
だが、そんな山下の前に刑務所で知り合った男・高崎(柄本明)が現れる。
ゴミ回収の仕事に就いていた高崎は、桂子と幸せそうに働いている山下をやっかみ
執拗な嫌がらせをしてきた。
一方その頃、堂島の子を身ごもっていることが判明した桂子が、山下の前から姿を消す。
過去を清算するために上京した彼女は、母を秋田の病院に帰し、
堂島の会社から預金通帳を取り戻すと再び山下の元へ戻ってくる。
しかし、堂島はそれを許さなかった。
桂子を強引に連れ戻そうとする堂島。
ところが、それまで桂子の愛を頑なに拒絶し続けていた山下が、
トラブルに巻き込まれると承知しながら、堂島から桂子を守った。
◆感想◆カンヌ国際映画祭グランプリ(パルム・ドール)受賞作で、監督は今村昌平監督。主演の役所広司は何かに取り憑かれたかのような演技で観ていて怖さを感じました。相手役の清水美沙も適役な感じで良かったと思います。印象に残るのは山下が妻を刺殺するシーンが強烈でしたが、それ以外だと濃すぎる脇役の方々、柄本明や市原悦子がウザ過ぎてやばかったです。パルム・ドールに相応しい作品かといえば、??な気もしますが、役所広司が良かったので観て損はないと思います。オススメです。
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