監督 黒澤明 脚本 久板栄二郎 音楽 服部正 撮影 中井朝一 制作 松崎啓次
▮あらすじ▮
新緑に包まれた京都吉田山。野毛(藤田進)糸川(河野秋武)らの大学生七人と、
その師・八木原教授(大河内傳次郎)、娘の幸枝(原節子)らはピクニックを楽しんでいた。
その時、陸軍演習の機銃の音が鳴り響き楽しい時も一瞬で壊される。
昭和六年、満州事変を契機に帝国主義は一段と高まり、自由主義追放の嵐が京都帝大にも及び
文部省と対立し、学生たちは次々と検挙され八木原教授は象牙の塔を追われた。
糸川は残留したが、野毛は大学を去り、反戦運動に身を投じる。
幸枝は行動派の野毛に期待していたが、彼の転向ぶりには落胆した。
何年か経ち、上京した幸枝は偶然検事となった糸川に合い、野毛のことを聞く。
野毛は東亜政治経済問題研究所を主宰し、活躍しているという。
幸枝は久しぶりに再会した野毛に惹かれ、二人は結婚することとなった。
しかし、野毛はスパイ容疑で検挙され、幸枝もその妻として拘束される。
それから暫くして野毛が獄死してしまう。
傷心の幸枝は遺骨と共に田舎で百姓をしている野毛の両親を訪ねるが、そこで彼女が見たものは
村民たちの罵倒と迫害に苦しむ両親の姿だった・・・・
わが青春に悔なし
◆感想◆黒澤明監督の戦後一作目で、戦前の京大・滝川事件と戦中のゾルゲ・スパイ事件にヒントを得て制作された作品。まず黒澤監督が強い女性を主人公にして映画を撮ったのが珍しく、姿三四郎に出ていた役者+原節子の組み合わせも面白いです。原節子が出ている作品の中でも、かなり印象に残っている映画の一つで、七変化じゃないけど色んな表情、姿の原節子が見れる貴重な作品と思います。特に後半の百姓として死に物狂いで頑張る幸枝(原節子)が凄い、あとは学ラン姿の藤田進がなんか笑えるといった感じで、スルーしてはいけない作品と言えます。オススメです。
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価格:1760円 |
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