監督 小津安二郎 脚本 野田高梧 小津安二郎 撮影 厚田雄春 音楽 斎藤高順
▮あらすじ▮
杉山正二(池部良)は蒲田から丸ビルの会杜に通勤しているサラリーマンで
昌子(淡島千景)と結婚して八年になる。
そんな二人の仲は倦怠期に入っていた。
正二は通勤仲間の青木(高橋貞二)、野村(田中春男)、キンギョという綽名の金子千代(岸惠子)
らと麻雀、パチンコにふけるのがこの頃では日課になっていた。
一方の昌子はおでん屋をやっている実家に帰り、母・しげ(浦辺粂子)に愚痴をこぼす。
ある時、正二はいつものグループでハイキングに出掛けたが、この日から千代との距離が
急激に近くなり、ついには千代に誘われ一夜を共にする。
そして仲間にも二人の関係を勘付かれた。
正二と千代の関係は晶子にも気付かれ、彼女は家を出ていく。
ちょうどその頃、正二に岡山の工場への転勤の話が出ていた。
昌子は友人宅からまだ帰らず、電話にも出なかったが、
正二は岡山に行くことに決めた。
一人で岡山に向かった正二は途中、大津で降りて仲人の小野寺(笠智衆)に会う。
小野寺には「やっぱり女房が一番アテになるんじゃないかい」と言われた。
岡山に着任してから何日か経った頃、正二が家に帰るとそこには・・・・
早春
◆感想◆小津安二郎監督の47作目の作品で、主演が原節子や笠智衆ではなく、昭和残侠伝などでお馴染みの池部良というのが興味深いです。池部良の奥さん役が淡島千景で、不倫相手が岸惠子、二人ともピッタリな役で作品を面白くしています。あとは脇を固める役者さんたちが小津作品常連の方たちで、チョイ役でも存在感抜群ですね。意外にも二時間二十四分の長い映画(小津作品で最長?)ですが、不思議とあまり飽きずに観れました。名作ではないかもしれませんが、たまにはこんな作品も良いと思いました。オススメです。
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