原作 山田太一 音楽 毛利蔵人 演出 深町幸男 制作 岡田勝 撮影 奥村重喜
▮あらすじ▮
妻を亡くした老人・岡田(笠智衆)は大金を持ち、晩秋の東北地方に独り旅に出る。
実はこの旅、死を決意した最後の旅立ちであった。
鳴子温泉で宿泊した旅館の部屋係・上村麻美(岸本加世子)と親しくなった岡田は
チップとして2万円を渡し驚かれる。
鳴子を離れた岡田は品の良い老婦人(沢村貞子)と平泉で出会い、一緒に観光を楽しんだ。
その夜、宿で食事を済ませると、老婦人に実は夫が居ると言われまた独りになってしまう。
翌日、今度は八戸へ向かった岡田。その一方で上村麻美と恋人・昭二(金田賢一)は
岡田が大金を持ち歩いていると知り、後を追う。
二人は一緒に店を出すのが夢で、岡田に金を借りようと考えていた。
八戸で昔の同僚・篠崎(小沢栄太郎)と再会できたが、彼は病で寝たきりの状態になっており、
長期入院しているという。
篠崎と本音で語り合った後、恐山に向かった岡田は気が付くと崖の上に立っていた。
冬構え
◆感想◆この作品は映画ではなくテレビドラマですが、笠智衆主演で、藤原釜足の遺作ということで観てみました。物語の前半は笠智衆が大浴場で泳いでみたり、酔って歌い出したり旅を楽しんでいる感じですが、元同僚の小沢栄太郎に逢う所から急にシリアスになり、病人役の小沢栄太郎の演技がうまいこともあり、重たい雰囲気になっていきます。それでも最後、藤原釜足が出てきて救いがある終わり方をするので少し安心といった感じです。老いと孤独をテーマにした今どきはあまりない良いドラマだと思います。オススメです。
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