監督 黒澤明 脚本 黒澤明 菊島隆三 撮影 宮川一夫 音楽 佐藤勝 制作 菊島隆三 田中友幸
▮あらすじ▮
一人の浪人・三十郎(三船敏郎)が桑畑に囲まれた宿場町・馬目宿へとやってくる。
そこは賭場の元締めである馬目の清兵衛一家と、清兵衛の弟分で跡目相続に不満を持って
独立した丑寅一家との抗争によって荒廃していた。
二人はそれぞれ町の有力者である名主の多左衛門(藤原鎌足)と居酒屋の徳右衛門
(志村喬)を後ろ盾にして抗争は泥沼化し、町の産業である絹取引きも中断していた。
三十郎はふらりと町の居酒屋に立ち寄り、店主の権爺(東野英治郎)からあらましを聞く
と酒代として馬目宿を平穏にしてやるという。
まず馬目の清兵衛(河津清三郎)に用心棒として自分を売り込んだ三十郎は、
丑寅(山茶花究)の子分を斬り、清兵衛一家に雇われることとなった。
五十両で三十郎を雇った清兵衛だったが、用が済んだら殺して金を取り返せばいいと
言った清兵衛の妻・おりん(山田五十鈴)との会話を聞かれてしまい結局三十郎に逃げられてしまう。
清兵衛一家と丑寅一家はどちらも腕利きの用心棒を雇いたかったので、
三十郎の奪い合いになった。
そんななか、丑寅の末弟の卯之助(仲代達矢)が、ピストルを片手に帰ってきた。
その後、丑寅が百姓の小平(土屋嘉男)から女房のぬい(司葉子)を奪い、
徳右衛門の妾にしたことを知った三十郎は、今度は丑寅一家の用心棒となり
卯之助や亥之吉(加東大介)らを騙し、小平一家を逃がすことに成功するが卯之助に策を
見破られ捕まってしまう。
拷問を受けた三十郎だったが、隙をついて何とか逃げ出した。
これに業を煮やした丑寅は清兵衛の家に火を放ち、清兵衛一家を皆殺しにしてしまう。
居酒屋の権爺まで捕まったと聞いた三十郎は、独り清兵衛一家に立ち向かっていく。
用心棒
◆感想◆黒澤明監督の時代劇といえば七人の侍が有名ですが、この作品も負けないくらい面白く、何回も観てしまう傑作娯楽時代劇です。まずシナリオが素晴らしく、カメラワークや音楽も当時としてはかなり攻めている感じで良いです。配役も完璧かと思えるほどハマっています。三船敏郎や仲代達矢は当たり前に良かったですが、個人的に良かったのはアホの亥之吉を演じた加東大介と、清兵衛の妻役の山田五十鈴。どちらも強烈なキャラで、目立ってましたw一応、時代劇ですが、アメリカの西部劇的要素がかなり強い面白い作品です。オススメです。
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