監督 成瀬巳喜男 原作 林芙美子 脚色 田中澄江 井出俊郎 撮影 玉井正夫 音楽 早坂文雄 監修 川端康成
▮あらすじ▮
岡本初之輔(上原謙)と妻の三千代(原節子)は東京から大阪に移り住み三年目、結婚して
五年の月日が経っていた。
台所と茶の間を行き来し、夫の飯を装うだけの毎日。
そんなつまらない日常に三千代は辟易していた。
ある日、東京に居るはずの初之輔の姪・里子(島崎雪子)が突然訪ねて来る。
縁談に反抗して家を飛び出して来たという。
暫く居候するつもりの里子に対し、三千代は温かく迎え入れたが、内心は食費のことなど
を心配していた。
そんな折、初之輔は里子と三人で大阪観光に行くことを提案するが、気が乗らない三千代は
結局家に残ることになった。
まるで恋人のように初之輔に寄り添う里子と、満更でもない様子の初之輔に対し
我慢の限界に来た三千代は東京に帰りたいと吐露する。
ついに上京を決心した三千代は、いとこの竹中の家を訪ねて資金を用立ててもらう。
後日、初之輔に「疲れた」と言い残した三千代は、東京の実家に里子を連れ帰ってしまった。
とうとう家に独りきりになってしまった初之輔。
三千代は当分帰るつもりはない様子で、東京で就職先まで探し始めた・・・・
めし
◆感想◆原作は林芙美子の長編小説ですが、連載中に林が急逝してしまった為、成瀬巳喜男監督、田中澄江、井出俊郎が脚色し完成した作品。そしてあの川端康成が監修として関わっているのにも注目です。レビュー等にもよく書いてある原節子が小津作品とは別人のようだというのは本当にその通りでこちらの原節子の方が個人的には魅力を感じます。また上原謙が夫役というのが面白い組み合わせだと思いました。成瀬監督と言えば高峰秀子のイメージですが、原節子の魅力も存分に引き出せる凄い監督です。オススメです。
原節子の真実 (新潮文庫) [ 石井 妙子 ]
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