監督 柳町光男 脚本 柳町光男 撮影 田村正毅 音楽 横田年昭 制作 池田哲也 池田道彦
▮あらすじ▮
茨城県鹿島地方、田園地帯の一角に小さな農家、山沢家がある。次男の明彦(矢吹二朗)は
東京で働いており、一家を支えるのは長男の幸雄(根津甚八)だ。
幸雄には最愛の二人の息子がいたが、ある日水難事故で二人とも亡くなってしまう。
身重の妻、文江(山口美也子)に当たり散らすようになった幸雄。
供養のため、背中に観音像と子供の戒名を刺青した。
そんな折、幸雄は順子(秋吉久美子)という、かつて明彦の恋人だった女をダンプに乗せてやる。
そして二人は男女の関係になり、同棲生活がはじまった。
四年後、二人の間には娘・まり子も生まれ、依然として幸雄の二重生活は続いていた。
だが絶頂期に較べると仕事も減り始め、その不安を紛わすために、
覚せい剤を常用するようになっていた。
一方、山沢家では母・イネの強い希望で東京から戻ってきた明彦もダンプの運転手を始めていた。
兄とは逆に着実に仕事を続けた明彦は、一年目に事務所を持つ程に成長したが、
兄弟の溝は益々深くなっていくばかりだった。
覚せい剤に溺れていく幸雄は仕事もしなくなり、順子は仕方なく、結婚を控えた
昔の恋人・明彦に金の工面を頼んだ。
明彦の結婚式の当日、奇行が目立ち始めてきた幸雄は弟に対する不満を爆発させ
明彦に包丁を突き付ける。
さらば愛しき大地
◆感想◆柳町光男監督が実話を元に脚本を書いた82年の作品で、主演は根津甚八。子供の事故死をきっかけに人生が悪い方に進んでいき、最後にはとんでもない行動に出てしまうという、なかなか観ていて辛い作品です。見所は何と言っても覚せい剤に溺れていく根津甚八の演技力。最後の方なんて怖さを感じるくらいの演技でした。あとは愛人役の秋吉久美子が色気があってピッタリの役でした。もしかしたら隠れた名作かもしれないと思わせる濃い映画です。オススメです。
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