監督 成瀬巳喜男 原作 林芙美子 脚本 田中澄江 音楽 斎藤一郎 撮影 峰重義
▮あらすじ▮
東京で観光バスの案内嬢をしている清子(高峰秀子)には、三人の兄姉がいる。
長女の縫子(村田知栄子)と次女の光子(三浦光子)、長男の嘉助、母のおせい(浦辺粂子)が
産んだ子に間違いないが、それぞれ父親が違うという複雑な家庭だった。
そんな清子に姉の縫子が両国のパン屋の綱吉(小沢栄太郎)との縁談を持って来る。
しかし清子には縫子夫婦が、それを種に金儲けのうまい綱吉を利用しようとしているが見え見えで
嫌で仕方なかった。
ある日、光子の夫・呂平が急死してしまうと、何日か後に呂平に妾のリツ(中北千枝子)と
幼い子どもが居たことが判明する。
光子には夫の保険金が入る予定だったが、縫子や嘉助、母・おせい、妾のリツまでこの金を当てにしていた。
綱吉は清子に気があるようだったが、縫子にまで手を出し、縫子の夫・龍三と大喧嘩までする始末。
清子はそんなだらしない家族に嫌気が差し、家を出ることにした。
世田谷の杉山とめの家に下宿することになった清子は、隣家の国宗周三(根上淳)と
その妹・つぼみ(香川京子)と知り合いになり、仲の良い兄妹を見て羨ましく思った。
光子は神田に夫の保険金で喫茶店をオープンしたので、清子が訪ねると、
嫌いな綱吉が出てきた。そして縫子まで店に来たので、直ぐに帰宅した。
後日、隣家の国宗兄妹と話してると、母が訪ねてきた。
今度は縫子と光子が大喧嘩をして、光子が行方不明になっているという。
そんな話にはうんざりしている清子は、母にきつく当たってしまい口論になる。
お互い言いたい事を言い合った二人は、いつの間にか笑顔が戻っていた。
折からの稲妻に、稲妻が苦手だった光子はきっと帰ってくるよと、母は家路へ急ぐのだった。
稲妻
◆感想◆原作が林芙美子で、主演が高峰秀子、成瀬巳喜男監督が撮ったとなると観ないわけにはいかなかったです。この作品の登場人物は母・おせいを筆頭にかなり癖のある人ばかりで、揉め事ばかり起こります。光子に保険金が入ると知るとハイエナのように寄ってくる家族と、妾の女には笑うしかなかったです。後半になるとかなりマトモな人間、国宗兄妹と杉山とめが出てきて少しほっとしましたw最後一体どうなるんだ?と思いながら観ていたら、さすが成瀬監督。とてもイイ感じの終わり方で良かったです。オススメです。
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