彼岸花　1958　小津安二郎　（主演・佐分利信/有馬稲子） 松竹

監督　小津安二郎　原作　里見弴　脚本　小津安二郎　野田高梧　撮影　厚田雄春　音楽　斎藤高順

▮あらすじ▮

大手企業の常務である平山渉（佐分利信）は、旧友の河合（中村伸郎）の娘の結婚式に出席したが、　　

呼ばれていたはずの三上（笠智衆）が来ていないことを不審に思っていた。

その翌日、三上が会社を訪ねてきた。

娘の文子（久我美子）が、男を作り、家を出て行ったきり帰ってこなくて悩んでいて、

幸せな結婚式を観るのがつらいので欠席したとの事だった。

三上に頼まれて平山は文子が働いている銀座のバーへ様子を見に行ったが、

文子は帰るつもりはない様子だった。

そんな平山にも年頃の娘・節子（有馬稲子）と高校生の久子（桑野みゆき）がいる。

ある日、平山の会社に谷口（佐田啓二）という男が訪ねて来た。

谷口は突然、節子と結婚させて欲しいと言い出すが、平山は藪から棒にそんなこと言われて

も困ると、ろくに話も聞かず帰らせてしまう。

これをキッカケに平山と節子の親子関係に亀裂が生じてしまうが、平山の妻・清子（田中絹代）や

次女・久子、親しくしている京都の旅館の娘・幸子（山本富士子）は谷口を気に入り、

平山を説得するが、頑なになるばかりだった。

そんなある日、幸子が東京に出てきて、母親（浪花千栄子）が無理矢理結婚させようと

するので、嫌になって家を出てきたというが、実はこれは嘘で平山に

「親の言うことなんか聞かなくていい」と言わせるためだった。

これにより、節子の結婚を認めざるを得なくなった平山だったが・・・・

彼岸花

◆感想◆小津作品の中でも忘れかけていた「彼岸花」を久しぶりに観てみました。いつものように娘の結婚をめぐり、家庭内がゴタゴタする話ですが、この作品では佐分利信がガンコ親父でこれに京都の親子・浪花千栄子と山本富士子が絡んでくる所が他の作品と違い、面白いです。特に大映から借りてきた山本富士子が新鮮味があって良いと思いました。また監督初のカラー作品であり、赤の発色の良さに異常にこだわったということなので、その辺りにも注目です。実はニューデジタルリマスター版はまだ観ていないので、こちらも近いうちに観たいと思います。オススメです。

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