監督 溝口健二 原作 近松門左衛門 劇化 川口松太郎 脚本 依田義賢 撮影 宮川一夫 音楽 早坂文雄
▮あらすじ▮
京烏丸四条の大経師(朝廷御用の職人、経巻、巻物などの表装する経師の長)・以春(進藤英太郎)
の後妻となったおさん(香川京子)のもとに兄の道喜(田中春男)が訪ねてきた。
道喜は借金の利子の支払いに困って、遂にその始末をおさんに泣きついてきた。
金銭に関しては細かい以春には冷く断わられ、止むなくおさんは手代・茂兵衛(長谷川一夫)
に相談する。
茂兵衛は主人の印判を用い、取引先から暫く借りておこうと考えた。
しかし、これが主手代の助右衛門に見つかってしまう。
以春にはおさんに頼まれたとは言わずに、ひたすらわびた茂兵衛、
すると今度は女中のお玉(南田洋子)が自分が頼んだと罪を被った。
以春はお玉を何度も口説いており、この二人の関係が気に食わないので、
茂兵衛を空屋に檻禁してしまう。
お玉は以春が深夜に自分の寝所に通ってくることをおさんに打ち明ける。
これに憤慨したおさんはお玉と寝所を交換し、以春を問い詰めようとするが、
おさんのもとに現れたのは檻禁されていた茂兵衛であった・・・・
茂兵衛はお玉にお礼を言うつもりで来たのだが、おさんが居たので驚く。
そして運悪く茂兵衛を捜していた助右衛門に見つかってしまい、
不義密通と騒がれてしまう。
茂兵衛は逃げ出すが、これにおさんも付いていくと言い始める。
二人は琵琶湖で入水自殺を考えるが、茂兵衛が以前からおさんに
思慕の念を抱いていたことを打ち明けると、思いとどまった。
そして二人は命懸けの逃避行を続けることに・・・・
近松物語
◆感想◆溝口健二と言えば圧倒的な映像美ですが、この作品も美しい映像に感動しました。香川京子はこの時が一番美しかったのではないかという位キレイで、着物姿も完璧です。あとは以春役の進藤英太郎も溝口作品では欠かせない人物ですね。最後二人がどうなるのか、ここでは言いませんが気になる方はぜひ観て下さい。心に残る名作映画の一本になることでしょう。
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