監督 黒澤明 原作 エド・マクベイン 「キングの身代金」 脚本 小国英雄 菊島隆三 久板栄二郎 黒澤明 撮影 斎藤孝雄 中井朝一 音楽 佐藤勝
▮あらすじ▮
製靴会社ナショナルシューズの常務である権藤金吾(三船敏郎)のもとに脅迫電話が掛かってくる。
息子の純を誘拐したので、3000万円用意しろと言う。
取り乱す権藤の妻(香川京子)だったが、そこへ純が現れる。
安心した権藤夫妻だったが、拐われたのは、純と一緒に遊んでいた、権藤の運転手・青木の息子 ・伸一だった。
警察が家に来て暫くすると、再び電話が掛かってくる。
犯人は誘拐する子供を間違えたが、権藤に身代金を要求してきた。
会社の実権を握るために金を払うわけにはいかない権藤だったが、運転手の青木と妻に懇願され、身代金を払うことを決意した。
犯人の指定した”特急こだま””に乗り込んだ権藤。鞄には3000万円が入っている。
車内に犯人から電話が入った。
「酒匂川の鉄橋を過ぎたところで、身代金が入った鞄を窓から投げ落とせ!」
同乗していた刑事は特急の窓は開かないと焦るが、洗面所の窓だけ7cm開くという。
権藤は指示通り鞄を投げ落とし、その後、伸一は無事解放されるが、身代金は奪われ、犯人は逃走してしまう。
戸倉警部(仲代達矢)率いる捜査陣は、伸一の証言や逃走に使った車、電話の録音などを頼りに捜査を進め、ついに犯人のアジトを見つけるが、そこには共犯者と思われる男女がヘロイン中毒で死亡していた。
捜査本部は主犯格の犯人が、ヘロイン中毒の共犯者二人に純度の高いヘロインを与え、口封じのために殺害したと考え、捜査を進めていく。
新聞社の嘘の記事を信じ込んでいた主犯格は、共犯の二人がまだ生きていると思い込み、身代金が入っていた鞄を焼却処分する。
しかし、その鞄には特殊な細工がしてあり、焼却すると牡丹色の煙が出た。
これにより、主犯格がインターンの竹内銀次郎(山崎努)という男であるを突き止める。
戸倉は竹内を死刑にするため、あえて泳がせ、共犯者が生きていると思って殺しに来たところを逮捕する。
後日、竹内は死刑が確定、権藤は竹内の希望もあり、面会することになるが・・・
天国と地獄
◆感想◆ この作品は黒澤作品の常連の役者さんが勢揃いという感じで、とても楽しめました。印象に残るのは、やはり特急こだまの非常に緊迫感の有るシーン。映画史に残る名シーンと言っても過言ではないと思います。また、犯人役の山崎努も大物の役者に囲まれる中、存在感を示していました。シナリオが素晴らしいので、少し長い映画ですが飽きずに観れました。サスペンスが好きな方におすすめです。
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