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監督 木下惠介 原作 伊籐左千夫「野菊の墓」 音楽 木下忠司 撮影 楠田浩之


▮あらすじ▮

渡し舟に乗る一人の老人(笠智衆)。生まれ故郷の景色を懐かしみながら、60年程前の昔を回想する。

 

旧家の次男として育った政夫(田中晋二)は15歳になった。母(杉村春子)が病弱だったため

姪の民子(有田紀子)が世話をするために、同居していた。

幼い頃から仲の良かった政夫と民子だが、いつしか恋愛感情のようなものを

お互い感じ始めるが、民子は自分が2歳年上ということを気にしているようだった。

 

或る日、母は世間体を気にし、二人にあまり親密にならない様に忠告する。

兄嫁や下女にもからかわれ、距離を置き始めた二人。

 

祭りの前日、母は政夫に予定より早く学校の寮に入るように言い付ける。

民子への一途な想いを手紙にしたためた政夫は、翌朝、雨の中、渡し舟に乗り寮へと旅立つのだった。

 

時が経ち、久しぶりに帰省した政夫だったが、そこに民子の姿はなかった・・・

二人の仲を心配する母は民子に縁談を持ちかける。

政夫への気持ちは変わらない民子だったが、他家に嫁ぐことを決心する。

 

ある時、学校で授業を受ける政夫に電報が届く。

「スグカエレハハ」

 

 

野菊の如き君なりき

◆感想◆ この時代の映画はホントに素晴らしい作品が多いですが、この作品も間違いなく名作です。冒頭から美しい風景と物悲しげな音楽、笠智衆の語りが素晴らしく、画面に釘付けになってしまいました。主演の有田紀子と田中晋二、母役の杉村春子もハマっていてどの場面も美しいという感じですね。日本文学らしい終わり方をする作品で、涙なしでは観れません。本当の純愛の映画を観たい方におすすめします。


アルプスの与太者

映画、音楽、文学、古いものが大好きです。  

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